鴛鴦おばあちゃんと、台湾のローカルな生活に潜り込む-vol.1

台湾生活

ようやくちょっと遅めの夏休みが始まった。台北のうだるような暑さから逃れるように、やってきたのは台湾中部、台中のちょっと北にある都市「豊原」。以前別の記事にて紹介した「しゅん」の里帰りに同行することにした。

豊原の市街地は夜市、映画館に百貨店もあって、他の中規模都市とあまり変わらない印象だ。でも、中心部からバイクで東に10分も走ると、山間部に差し掛かり、住宅地から川の沿道へと景色は変わっていく。適度に都会で適度に田舎、ちょっと羽を伸ばすには最適な街だ。

山間部に入っていくと、気温がグッと下がるのを肌で感じる。峠へと続く道を上がっていくことに、家もだんだんと少なくなる。くねくねした道に沿って登ってゆくこと5分ほど、今回の避暑旅行の目的地に到着した。

庭では真っ黒の台湾犬、糖糖(タンタン)と妞妞(ニョウニョウ)がくつろいでいる。手土産のおやつも持たずズケズケとやってきた日本人にも、尻尾を振ってご機嫌にお出迎えをしてくれた。

乱立するアパート群で形成された台北とは全く対照的で、土地にゆとりがある山間部の家の前には、とっても広い庭。これ、全部この家の土地?家の裏手はすぐに山があり、斜面の傾斜を利用した椪柑(ポンカン)の栽培が行われている。

今回はここで4日間ほどお世話になることに決めた。雨が上がった後のひんやりとした風に包まれながら、豊原でのゆったりとした日常を、大都市のアパート暮らしとはちょっと違った日常を、書いてみることにする。

さて、一体何から書いていこうか。
そうだ、せっかくなのでおばあちゃんに家を案内してもらうことにしよう。

玄関を入るとまず現れるのは、だだっ広い、会社の事務所みたいな部屋だ。奥には社長が鎮座するような立派なデスク、「日益精進」の大きな標語。それから、とにかく天井が高い。床は小学校の廊下を彷彿させるようなモザイクタイル。どこか無造作なカクカクした部屋の造りは、学校建築さながらだ。

事務所の奥の暖簾をくぐると、キッチンがある。そのまま食堂が経営できそうなほどの広さに驚く。いまわたしが住んでいる台北のアパートの、まな板の置き場所に困ってしまうようなせせこましいキッチンとは大違い。

この部屋もやっぱり無造作なカクカクした造りと、飾り気ないお風呂場みたいなタイルは共通している。ただ、壁のタイルには申し訳なさそうに、ちょっとした花模様があしらわれている。

この家は4階建てで、大家族でも快適に住めるような設計になっている。実際、キッチン/トイレを除いても10部屋程度ある。でも、今はおばあちゃんを含めて3人が暮らすのみで、ほとんどが空き部屋だ。

階段の踊り場も、なんだか懐かしいツートンカラーにモザイクタイル、まさに小学校の階段を思い出す。小学生の頃、「階段滑り」が得意だったわたしは、今でもタイル造りのよく滑りそうな階段をみると、ついつい滑り降りたくなる衝動に駆られる。

空き部屋の寝室を覗くと、やっぱり無造作デザイン。床掃除なんか、水をまいてデッキブラシでこするだけで良さそうだなぁ、なんて自分なりの、この部屋での暮らしぶりを想像してみる。

あと、驚いたことにこの家……クーラーがない!

この南国台湾で、クーラーの故障イコール死を意味する灼熱の地で、クーラーがない生活なんてとても想像できるだろうか。でも、この家のバルコニーに立ってみて、よくわかった。山から吹き付ける涼しい風を吸い込むようにして、家の中に風が流れている。体感としては台北よりも5度くらいは低い。

「夜寝るときは、毛布がいるくらい気温が下がるのよ」とおばあちゃん。

3階には「神さまの部屋」がある。鴛鴦ばあちゃんは、毎朝欠かさずこの部屋で拜拜をする。部屋に漂う線香の香り、なんだか懐かしい感じがする。

盆休みの度に訪れることを楽しみにしていた、わたしの小豆島のばあちゃんの家での夏の日々が思い起こされる。

「神さまの部屋」は昼間だと平気だが、夜になると赤いランプが妖光を放ち、なんだか途端に不気味になる。こんなところに閉じ込められると、どんなわがままっ子でも堪忍しそうだ。


さて、ひとまず家の様子は大体把握できた。ちなみに、台湾では他にも「三合院」というような伝統的な建築様式の家もあるが、いづれにしても、日本の建築とは異なり、かなり無造作で簡素、まるで学校校舎のような建築だ。

こういったシンプルさ、大雑把さも台湾の1つの特徴だと言えるのかもしれない。




家の案内が終わったところで、そろそろお腹もすいてきた頃合い。お昼ごはんに使用する野菜の収穫も兼ねて、鴛鴦ばあちゃんが庭の菜園を紹介してくれるらしい。

では、ひとまず今回の記事はここまでにしておこう。

他にもこんな記事を書いています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました