ゼロから始める中国語、1年後の実力はいかに?

中国語

去年9月から台湾で中国語を勉強し始めて、もうすぐ1年になる。
全くのゼロスタートから中国語を始めて、1年でどこまで程度中国語力がつくのか。てまえの話ですが、ちょっと共有してみたいと思います。

どんな勉強をしてきたか?

現在台湾で中国語留学を開始し、11ヶ月が経過。教科書はすでに5冊目。

・實用視聽華語(1,2,3,4)
・遼東生活華語(3)←今ここ

TOCFLという台湾政府公式の中国語テストも受験し、C1 流利級(HSK6級以上相当)もゲットしたので、スピーキングとライティングを除けば上級ということになろうか。

一年中国語を勉強して出てきた生活の変化

1.「無意識的ルー大柴的錯誤」がおきる

さっきTwitterに流れてきた「日本の政治家は……中国を……『天真爛漫』である」というツイートを流し読みしている際、「天(ティエン)真(チェン)……」ぐらいまで読んで、「あっ!!日本語やん!『てんしんらんまん』やん!」と気づいた。

ルー大柴は意図して日本語と英語を混ぜている。けど私は無意識に、中国語と日本語がごちゃまぜになる。この現象に名前があるのかわからないが、とりあえず「無意識的ルー大柴的錯誤」と命名しておく。

ちなみに、中国語勉強したことない日本人は「錯誤」を「さくご」と読むだろうが、中国語では「ツオウー」と読む。私は日本語の「さくご」として入力したのだが、再度見直しで読んだ際中国語で「ツオウー」と読んでしまった。

この現象はどういうメカニズムで発生しているのであろうか?単語を一見しただけでその意味を認識できるかどうか、つまりその単語への親密度が関係しているのだろうか?

確かに「天真爛漫」というのは自分の日本語での言語環境において頻繁に出現する単語ではない。しかし「説明」とか「不要」など、かなりの頻度で出現する単語も時折中国語読みで読んでしまい、意味がわからず混乱することもある。

となると、親密度が低い単語=中国語として認識されるわけではないだろう。

装飾

これは同じ漢字圏の言葉を勉強しているがゆえの独特な現象だ。散々色々な言語に触れてきたが、この現象に遭遇したのは初めてだ。かなり奇妙な感覚でありながら、しかし頭脳の中国語センサーが尖ってきた証拠でもあり、嬉しくも感じる。

加えて、繁体字で中国語を勉強しているということもかなり影響しているはずだ。おもに中国大陸で使っている簡体字は、結構大胆に簡略化された字体が多いので、視覚的に日本語と異なり、それゆえ誤読の確率は下がりそうである。例えば、先ほどの「天真爛漫」は簡体字では「天真烂漫」と書く。「説明不要」は「说明不要」で、「説」のごんべんの形が違う。これが、繁体字になると「天真爛漫」「說明不要」と日本語漢字とほぼ同じだ。

この奇妙な経験について、ぜひ中国語勉強経験のある人たちと議論をしたいものである。

2.中国に留学していたん?と聞かれる。

始めて知り合う台湾人ともそれほど問題なくコミュニケーションができるようになってきた。

南国台湾の優しい彼らは、「中国語うまいやん!」て言ってくれる。「ありがとう、全然大したことないんだけどね」って返す。そうすると2言目に、「中国大陸で留学してたん?」って聞かれる。「ううん、台湾にきてから勉強はじめたよ」っていう。

ほしたら、「ホンマかいな!?めっちゃ北京の中国語っぽいで?」って言われる。

前回でもちょびっと触れたが、いわゆる中国大陸の北京話と、台湾の訛り(台灣腔=台湾弁)は結構違う。日本語でいう関西弁と標準語くらいの差だろうか。

装飾

学校で教わるのは台灣腔をバッサリと排した正式な台湾華語のアクセントで、限りなく台湾弁よりも北京話に近い。つまり、学校で教えられるアクセントをしっかり習得すれば、台湾人からは「中国人ぽい!」という評価をゲットすることができるのだ。

これが良いのか悪いのかは、自分がどういう方面で中国語を活用していきたいかということに関係してくるとは思うので、無論正解はないのだが、大げさなくらい台湾弁ができて、+αで台湾語もできれば、台湾人との距離はグッと近づくはずである。

また、中国人ぽいと言われるということは、すくなくともネイティブっぽいということだろう。なかなかの肯定的な評価ではないか。

3.ニュースの内容がだいたいわかる

もうちょっと実用方面の話もしておこう。

ニュースの内容が大まかに把握できるようになる。

外国語学習者にとって、新聞やニュースの内容を理解したい!というのは1つの大きな動機だろう。しかし、中学+高校+大学=計10年英語を勉強した平均的日本人でも、英字ニュースの内容を正確に理解できる人はそれほど多くないと思う。

この原因は、
(1)ニュースに使われる単語が比較的「正式(フォーマル、硬い)」で、難易度が高い

ということに加え、

(2)ニュースを理解するには政治・経済・科学等の基本的知識、いわゆる「リテラシー」が必要であり、この2つのハードルをクリアするだけの能力は、意識的に勉強しないと養われないことにあると思う。

装飾

中国語の新聞も例に漏れず、特に「標題(題字)」は20字程度+簡潔+要点をつくというハードルをクリアする必要があるため、かなり難しい単語のオンパレードになります。

ちょっと例を挙げていきましょう。上から下へ、難易度UPです。

中國火星探測任務 天問一號發射成功

中央通訊社 2020/07/23

これは何も問題なく読めると思います。「號」は日本で馴染みない漢字ですが、「号」の繁体字ですね。あとはそのままです。

日本東京單日確診創新高 政府發錢籲居酒屋縮短營業時間

udn 聯合報 2020/07/30  

少々難易度上がりましたが、何となくわかりますね。前半、「確診」は検査後陽性と診断されたケース、「創新高」は過去最高を創(つく)ったということです。

後半は「籲」が難しいですが、政府が銭を発して「籲」し、居酒屋の営業時間を短縮という文脈から、「籲」=呼びかける、要請する、ということがわかります。

俄勒岡州與聯邦政府達協議 部隊逐步撤離波特蘭

中央通訊社 2020/07/30

これは固有名詞が登場する難しいケースですね。「俄勒岡州」=オレゴン州、と連邦政府が協議に達して、部隊が「逐步」=徐々に「撤離」=撤退+離開、「波特蘭」=ポートランドを。という内容です。

このように、題字はかなり複雑で、中国語の固有名詞が出てくると一瞬で「?」となってしまいます。

他方、意外にも本文自体はそれなりに理解できるようになる。

というのも、(1)で指摘した比較的硬い語彙については、日本語の語彙とかなり重複している部分があり、相当な語彙数を補えるからだ。なので、ミニマム5000語以上の語彙力が身についてると、だいたい概要理解はできます。

ニュースや新聞を読むことをモチベーションに語学を勉強している人にとって、中国語は比較的ゴールが近い言語であると言えますね。

(2)のリテラシーについては、頑張ってください。

結論:1年留学でかなり実用的なレベルに到達できる

無意識的ルー大柴的錯誤に悩まされる以外は、1年頑張って留学すれば、かなりのレベルに到達することができると思う。

これをいうと元も子もない話だが、別に留学せずに、文法をしっかり固めて、発音と会話はネイティブとみっちり練習すれば、半年もすれば実用的なレベルまで到達できると思う。

漢字を知っているというだけで、日本人は中国語を勉強することに対してかなりのアドバンテージを得ている。のみならず、日本語にたいする理解や、語感を豊かにすることができると思う。

というわけで、皆さん、明日から中国語勉強しましょう。

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